見積もりを金額だけで判断していませんか?

見積もりは金額だけで決めないこと

屋根の工事やメンテナンスをしたいとなったら、インターネットなどで情報を集めるはずです。業者もたくさんありますが、いくつかの業者に連絡をして見積もりをもらうことを、相見積りといいます。相場もわかって金額も比較できるのでいい方法ですが、安いところでお願いしよう、と考えるのは待ってください。安さだけではなく、その業者が本当に良い業者かどうかを確かめ、金額だけで決めないように気を付けましょう。

見積書でチェックするべき、3つのポイント

見積書には、その業者が優良業者であるかどうかが現れています。

①ちゃんと細かな点まで記載されているかどうか

見積書というと、多くの人が金額を重視してチェックします。そのため、他の部分はそれほど見ていないからと、適当に書く業者もいます。すごく簡単な屋根工事以外は、あれこれと細かな点が記載されているのが通常の見積書です。

例えば、3社から見積もりを取った場合で考えてみます。

この3社を比較してみて、まず候補から外してほしいのは、A社です。工事は一式で記載が済まされるほど簡単なものではありません。人件費を始め、工事に使う材料費、屋根の葺き替えなら撤去費用や処分費用、その他工事にかかるあらゆるものに金額があります。

こういった細かなところを記載している業者の見積もりのみが信頼できる見積書です。

②二重で費用が計算されていないかどうか

3社の中で一番細かく書かれていたB社が、一番信頼できる業者だと考えてしまいますが、実はそうではありません。細かく書かれているのをよく見ると、悪徳業者の場合は同じような項目で少し言葉を変えたものを並べて、どれも必要なもののように記載しています。でもこれは、水増し請求の見積書です。依頼する側がそんな細かなところまで知らないだろう、わからないだろうと思い、適当に項目をつけて多めに見積金額を出している可能性があります。

特に諸経費や諸費用などの、何に使われるのかわからない費用は要注意です。

③わかりやすく、見やすい請求書かどうか

3社の中で一番良いのは、C社ということになります。ある程度細かく書かれていますが、不要な項目がない見積書です。そして見積書で大事なのは、見るときにどんな項目で何に費用がかかるか、をしっかりとわかりやすく記載してくれているかどうか、です。業者が使う専門用語を並べられても、よくわからないですよね。そういった戸惑いがないように、丁寧で見やすい見積書かどうかをかくにんしましょう。

見積書ひとつで業者の性質もある程度判断できます。丁寧でわかりやすい見積書を提示してくれる業者は、工事も丁寧で真面目に、ちゃんとやってくれる業者と考えることができます。

他にもたくさん! チェックするためのポイント

見積書で確認しておくべき重要項目として3つご紹介しましたが、その他にもチェックしておきたいポイントはたくさんあります。

使用する材料の名前

どこに何を使用するのか、ちゃんと使用する材料まで書かれているかのチェックは必須です。屋根の塗装なら、塗料に何を使うのかというような細かな点ですね。言ってもわからないだろうから、と省略してしまう業者も多いのですが、どんな工事が行われるか、全部把握しないと工事に不安を感じてしまいます。説明する労力を惜しまない業者であるかどうかを判断する基準にもなるので、どんな工事にどんな材料を使うのかまで記載してあるかを確認してください。

品番の記載があるか

材料が記載されているだけでも十分細かいのですが、できれば品番や型番の記載があるとより安心です。商品名は同じだとしても、品番が違えば性質が違う可能性もあります。どんな材料を使うか、どんな性質のものを使うか、まで記載してある見積書が理想です。

工事をお願いする面積

工事をする面積について、業者で採寸をしています。屋根の葺き替えであれば、屋根の面積などを計算して材料を発注しますよね。このあたりが曖昧だと、正確な工事費用が算出できていない、ということになります。本来よりも多く面積を算出していれば、見積もり額が高くなります。反対に少なすぎると、材料が足りないというトラブルが後で発生します。

大きく値引きされすぎている

値引きはお願いする側としては嬉しいものですが、大幅な値引きの場合は怪しいです。人の心理を使って、値引き率を高めることで安く工事できる、と契約してもらおうと考えているからです。値引きはそれなりにどの業者でもしてくれるものですが、大きな値引きは適切な見積金額が出ていなかった、ということになります。元の金額をかなり高めに計算していた可能性があるので、信頼に欠ける業者と判断できます。

見積書が契約書になっている

見積書を見せてもらったはずなのに、それが契約書になっていることがあります。見積書にサインは当然必要ないのですが、見積書と見せかけて契約書を作り、そこにサインや印鑑などを押させようとする業者もいます。かなり悪徳業者ですが、高齢者が特に狙われやすいので要注意です。